マンションの一括受電はデメリットしか無い

投稿者: | 2015年6月3日

こないだイニシア桃山台に行ったとき、営業さんから
「うちは一括受電なんで、普通に契約するより電気代安いですよ」
という話があった。
一括受電について知識の無い私は
「ほーん。そうなのね。」
ぐらいに聞き流してたんだけど、後になってから「電気の一括受電ってなんやねん!?」と疑問に思ってきたので調べてみた。

電気には高圧と低圧があって、一般家庭が使っているには低圧の電気になる。
高圧の電気は低圧の電気に比べて安い。これはまとめ買いすれば安くなるのと同じ原理。

だから、マンション自体が高圧で電気を買って、変圧器を使って低圧に変換した電気を各家庭に振り分ければ節約になるんじゃね!?
という理由で生まれたのが一括受電システム。

なるほどね、素晴らしいじゃないか!
ところがどっこい、甘い話には罠がある。

まず、変圧器の導入・管理にコストが掛かる。
導入にはそれなりにコストが掛かる。(1,000万円とか)
管理には專門の業者が必要。業者に支払う費用は半永久的に掛かるのでバカにならない。
あと、法律で定められた点検のために数年に一度、マンション全体の停電が必要になる。
停電は確実に家電の寿命を縮めるし、何より結構なストレス。
私みたいに自宅でサーバを24時間動かしている人間に取っては重大な問題だったりもする。

次に各家庭での電気契約に関する自由が無くなる。
具体的には従量電灯Aやはぴeタイムのような電気料金プランを選択できなくなる可能性がある。(選択できる場合もある)
これはマンションにもよるが、電気料金の計算はスマートメーターを通して行われる。
この計算式に使用される電気料金プランが固定されてしまう恐れがある。
これに関しては参考までに今度イニシア桃山台はどうなのか、次に行った時に聞いてみようと思う。
もし電気料金プランが固定されるのなら、一括受電していることによって電気代が高くなるという家庭が発生する。

また、2016年4月からの家庭向け電力小売自由化の恩恵を受けることも出来ない。
マンション全体で電力会社と契約しているから、各家庭が別の電力会社と契約することが出来ない。

これだけのデメリットを抱えても一括受電する価値があるのか!?
あるんです。デベロッパーにとっては。

一括受電で得するのは誰なのか。じっくり考えてみた。

・電気代が安くなって、日々の生活費を安く出来る各家庭?
電気代が安くなるのは一部の家庭だけ。もし電気代が安くなったとしても、一括受電の施設を維持するために増える管理費を上回ることは無い。

・共有部分の電気代が安くなるから、管理組合が得をする?
各家庭よりは一括受電の恩恵を受けられるけど、一括受電の施設を維持するために増える管理費を上回ることは無い。

・もしかして・・・管理会社?
管理会社はどこか、それはデベロッパーの関連会社なのである。
一括受電の施設を管理する業者はどこか、それはデベロッパーの関連会社である。
儲かるのはどこか、それはデベロッパーの関連会社なのである。

電気代が安くなりますよーって言っておけば素人なんて簡単にだませるぜ!
一括受電システムの維持・管理で大儲けだぜ!
そうゆうビジネスモデル。

はい。結論が出た。全部が全部こんな感じに悪質だとは言わない。きっとエコや電気代節約のためにがんばってる優良な所もあると思う。
でも、一括受電によって得をしているか損をしているか、それは各家庭では判断できない。
判断できない以上、避けるのが無難。

少なくとも、家庭向け電力小売自由化が落ち着くまでは一括受電のマンションを選択すべきでは無い。
個人的に楽しみにしてるし。電力会社を選んで節約するなんて、考えただけで楽しそう。
ケータイの維持費を格安SIMで節約するのに似てるかも。

最近のマンションで50戸以上の中規模マンションなら、一括受電を採用しているマンションが多いと思う。
イニシア桃山台も一括受電を採用している。
私の場合はこれが決め手になって、今回の購入を見送りとすることにした。
でも一応、住宅ローンの事前審査だけはしに行くかも。今後の参考にもなるし。

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