読み終わりました。長かった、長かったよ。
感想としては「なんか思ってたのと違う」です。
さて、せっかく読んだのでレビューみたいなものを書いてみます。
ネタバレを含みますので、お気をつけください。
この山彦という小説ですが、私は郵便配達人シリーズを読んだ影響でミステリーにハマっていたので、ミステリーだと思って読み始めました。
読んでみてビックリ!ファンタジーでした!
ますはAmazonの商品ページに載っているこちらの紹介文を読んでみましょう。
地元紙記者の須見宏は、地域で発生する連続殺人事件の取材中に、偶然、山の民の存在を知り、彼らに興味を持ち接触を図ろうとする。
一方、地元・三条市の市議会議員、高橋義明は、市の実施する入札調書を通じて、市内の建設業者の不正を知る。そして、不正を追ううちに、彼らが山の民と繋がっていることに気付く。
山の民の秘密、そして連続殺人事件とのかかわりとは?
古代と現代。人と自然。さまざまな矛盾と悲しみを抱えながら、少女は夜空を駆ける。
これを読んで私は、なんか昔から山で暮らしている民族みたいな人達が連続殺人事件に関わってて、それを追っていく内容なのかなと思いました。
大筋はそれで間違ってなかったのですが、殺人事件のトリックを暴いていくとかそんなものを求めてこの小説を読んだのは大きな間違いでした。
まず、連続殺人事件の死因は原因不明の窒息死です。
この犯行ですが、催眠術だとか超スピードだとか. そんなチャチなもんじゃあ断じてありませんでした。
なんと!風の能力者による犯行だったのです!!
山で暮らす山彦と呼ばれる人達は基本的に普通の人間なのですが、その中にはエダカと呼ばれるシャーマンがいます。
これは山彦の中の人間が生まれ流れにシャーマンの力を持っていたり、今までなんの変哲もない普通の人間だった人がある日突然シャーマンの力に目覚めたりします。
そのシャーマンは風の能力者であり、死者の声が聞こえたり姿を見ることができるネクロマンサーでもあるのです!
シャーマンであるエダカは、死者の霊を通して先祖代々全ての記憶を引き継いでいます。
ご先祖様は大和朝廷と戦い、川を挟んでの大合戦。風の能力を使い空を飛び、風の塊で敵兵を吹き飛ばし、風を操り窒息死させて大活躍!
このあたりの説明が作中で行なわれた時、私はもう読むのやめようかなと思いました。完全に読む作品間違えた。
作品紹介にある「少女は夜空を駆ける」というのも、比喩でもなんでもなく本当に空を飛んで警察の包囲から抜け出すのです。
自分が求めていたミステリー小説ではありませんでしたが、最後まで読み切ったぐらいなのでおもしろかったです。
今流行りのなろう小説のような軽いファンタジーでは無く、物語の舞台である新潟を詳しく取材し、歴史の上に成り立つ重厚な伝奇ファンタジーでした。
もしかしたら本当に山には山彦がいるのかも?と思えるようなリアリティです。
ええ、おもしろいんですよ普通に。ただ私が求めていたミステリー小説では無かったというだけなのです……。
次こそちゃんとしたミステリー小説が読みたい!