2018年秋、ITサービスマネージャ午後2問1の小論文を書いてみた

投稿者: | 2019年9月18日

問題

ITサービスマネジメントにおけるプロセスの自動化について
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2018h30_2/2018h30a_sm_pm2_qs.pdf

小論文

第一章 ITサービスの概要と、自動化対象としたプロセスの概要及び自動化の状況
 1-1 ITサービスの概要
 私は、ソフトウェア開発を主な業務とするシステム開発会社A社で働くITサービスマネージャだ。A社では主に生命保険会社の営業職員向けの会計システムを開発している。生命保険会社に特化したサービスなので、通常の会計システムとは違い、きめ細かいサービスを売りにしている。
 A社の営業担当が生命保険会社に出向き、直接生命保険会社の営業職員に営業を行い、契約となった場合に会計システムを使用するユーザとなる。A社はユーザから領収書や請求書などの書類を郵送で預かり、預かった書類を見ながらデータとしてA社のデータベースに登録する。ユーザはデータベースに登録された書類を、パソコンやスマホアプリから確認することが可能となっている。通常、預かった書類がデータベースに反映されるまでには、2週間程の時間が掛かっている。

1-2 自動化対象としたプロセスの概要及び自動化の状況
 A社ではユーザから「郵送で送った書類を確認できるまでに時間が掛かるので、ちゃんと届いているのか不安だ」との声が届くことがあった。今回A社ではこのユーザからの不満を軽減すると共に、人件費の削減を目標にして、郵送で預かった書類のデータベース登録作業をAIを使い自動化することにした。
 2018年1月、A社ではAIを使ったシステム開発の実績がないこともあり、まずは書類のフォーマットが固定されており、会計システムのユーザとしても40%を占めている最大手の保険会社1社の書類のみを対象として、書類のデータベース登録自動化システムのプロジェクトが開始した。

第二章 自動化の範囲の拡大に当たっての活動における取組内容及び実施計画
2-1 自動化の範囲の拡大に当たっての活動における取組内容
 2018年3月、AIに詳しいエンジニアを探し、プロジェクトのメンバーに組み込んだこともあり、AIを使った書類のデータベース登録自動化システムの開発は順調に進んだ。当初予定していた6ヶ月の開発期間の半分の期間である3ヶ月で、機能開発の実装は完了していた。開発期間や予算に余裕があることもあり、私は自動化の範囲を拡大することを考えた。自動化の範囲を拡大することで、さらなる顧客満足と、人件費の削減を達成可能だと判断したからだ。私は早速、自動化の範囲の拡大に当たっての活動を開始した。
 具体的には、現在対象としている書類を最大手の保険会社1社のみから、大手4社に拡大することを、月に1度行われるA社の経営会議で、書類のデータベース登録自動化システムのプロジェクトについて、現在の状況を説明し、自動化の範囲の拡大についてのメリットを提案した。提案は受け入れられ、A社の経営陣からは、書類のデータベース登録自動化システムについて、改めてKPIとその目標値、実施計画を出すように指示があった。

2-2 KPIとその目標値、実施計画
 私は書類のデータベース登録自動化システムにおけるKPIとその目標値、実施計画を考えた。AIを使った書類のデータベース登録自動化を行うにあたり、AIが100%正確に書類を分類することは難しい。現状、開発中の1社の書類のみを対象としているAIの開発では正解率60%程度となっている。この精度はより多くのデータをAIに学習させることで、精度を向上させることが可能となっている。
 KPIとしてはAIを使って自動でデータベースに登録した書類の正解率とした。目標値は正解率80%を目標とし、実施計画は2019年1月からの運用開始を設定した。また、運用開始後に実際の正解率を監視し、AIが誤ってデータベースに登録した書類や、認識出来ずにエラーとなってしまった書類については入力データを保持しておき、後から開発メンバが分析することで精度を上げることが出来るように、社内のプロジェクト管理ツールに入力データを自動登録するようにした。

第三章 実現したプロセスの自動化及び組織におけるプロセス成熟度向上の評価
3-1 実現したプロセスの自動化
 2019年1月、A社は書類のデータベース登録自動化システムの開発を無事終え、運用を開始した。実際に運用を開始した後に計測したAIの書類自動解析の正解率は88%となっており、目標値である80%を達成した。また、書類がデータベースに反映されるまでの期間も、書類がA社に届いてから平均3日と大幅に短縮することができ、ユーザの不満を解消することが出来た。また、人件費についても、書類を確認しながら手入力していた作業を減らすることが出来たので、50%削減することが出来た。

3-2 組織におけるプロセス成熟度向上の評価
 A社の経営陣からは、今回の書類のデータベース登録自動化システムのプロセス成熟度向上の評価について高い評価を得ることが出来た。今後はさらなるプロセス成熟度の向上を目指す。具体的には、今回ノウハウを得たAI開発の経験を活かし、ユーザから書類を郵送してもらうのではなく、スマホのカメラで撮影したデータを送信してもらい、その画像をAIで解析し、データベースに自動登録することを目指す。
 また、書類についても大手4社の保険会社から発行される固定フォーマットの書類だけではなく、コンビニやスーパーなどのレシートについても対応し、自動化の範囲を拡大する。
 経営陣からは、今回得たAIのノウハウを活かし、A社の社内で運用している勤怠管理システムについても、AIで書類を解析し、自動入力出来るようにしたいとの要望があった。今後はAIを使い、手作業を減らすことでA社全体のプロセス成熟度の向上を実践していく。

以上

感想

なんかITサービスマネージャっぽくない小論文になってしまった。
とはいえ、これでも十分A評価貰えそうではある。たぶん。
ITサービスマネージャという立ち位置のイメージがまだ曖昧にしか掴めてないので、もうちょっと考えてから小論文を書いたほうが良かったのかもしれない。
インシデントが発生して、問題の原因を特定して、解決して、インシデントの内容を記録して、周知する的な流れを小論文に組み込めるようにしたい。

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