過去問演習です。
今回は「平成29年(問2)情報システムの目標達成の評価について」です。
ネタ
前回と同じく、自動かん水施肥システムです。
詳しくは前回の記事を参照してください。
https://blog.engineer24.jp/?p=1616
平成29年(問2)情報システムの目標達成の評価について、で論述してみる
第1章 目標達成の評価における、情報システム導入の目的及び概要、設定した指標とその目標値
1-1 情報システム導入の目的及び概要
A社はB地域に多くの農園を持つ農業法人である。A社が管理する農園では土壌の上にチューブを通し、チューブから水や液体の肥料を散布(以下、水を散布することをかん水、肥料を散布することを施肥という)する養液土耕栽培を行っている。栽培しているのは主にトマトであり、A社ではトマトの品質をA、B、Cの3ランクに分けて出荷している。
A社は将来的にグローバル進出を視野に入れており、海外でも通用する高い品質のトマトを安定的に栽培することを目標としている。今回、品質の安定的な向上のため、最適となる水や肥料を自動散布するかん水施肥システムをシステム部門で開発し、導入することに決めた。新規開発する自動かん水施肥システムの全体責任者として、経営層はITストラテジストとして働く私を指名した。
1-2 A社の事業特性、設定した指標とその目標値
A社で栽培しているトマトの品質は全体のうち60%以上がB以上となっている。トマトは土壌の水分量が生育の重要なポイントとなっており、今までは手動でかん水を行い土壌の水分量を調節していた。手動でのかん水には限界があり、1度のかん水に約4時間掛かるので、1日2回のかん水が限界となっていた。結果として、24時間土壌の水分量を一定に保つことはできていなかった。今回、自動かん水施肥システムを導入することで24時間土壌の水分量を一定に保つことが可能となる見通しである。
目標達成の評価として設定した指標は品質B以上、目標値は全体の80%とした。
第2章 達成状況の評価方法とその結果、抽出した業務面、システム面の課題
2-1 達成状況の評価方法とその結果
私は自動かん水施肥システムを導入から1ヶ月後に、途中経過を確認することにした。なぜならば、栽培中のトマトの状態を確認することで、収穫時期の品質をある程度予測し、達成状況を評価出来るからである。実際にトマトを確認してみたところ、品質B以上となるであろうトマトは全体の70%となっていた。このままでは目標値である80%に届かないので、私は急ぎ原因を調査することにした。
2-2 重要と考え、工夫した点
トマトの品質が想定以上に上がっていない原因について、私は現場で作業する従業員へのインタビューが重要と考えた。また、特定の個人に偏った内容とならないように、広く情報を集めるように工夫した。具体的には、社員だけに限らず、臨時で雇用しているアルバイトにも何か気づいた点が無いかインタビューを行った。その結果、自動かん水施肥システムが土壌の水分量を把握するため設置しているセンサの頭上が雨漏りを起こしていたことで、雨の日は局所的に土壌が湿った状態になっていたことが判明した。センサが水分過剰状態と判断し、自動かん水施肥システムが散布する水の量を少なく判断してしまっていたことで、畑全体の水分量が不足し、十分な品質向上効果が得られなかったと私は予測した。
2-3 抽出した業務面、システム面の課題
業務面の課題としては、現場の従業員がセンサの場所を把握しておらず、雨漏りを重大な問題と認識していなかったことで今回の問題が発生していたので、現場の従業員にも自動かん水施肥システムの仕様を把握してもらい、センサの場所を意識してもらう必要がある。
また、システム面の課題としては、センサがひとつなので今回のようなイレギュラーが発生した場合、畑全体の品質悪化に繋がるので、センサを増やし、畑全体の情報を取得できるようにすることが課題である。
第3章 経営層に説明した内容と、それに対する意見と意見を受けて改善したこと。
3-1 評価の結果及び抽出した課題に対し、経営層に説明した内容
私は評価の結果と抽出した業務面、システム面の課題を経営層に説明した。具体的には、達成状況の確認段階では評価の結果は目標値に届いていなかったが、イレギュラーな自体が発生していたことによる品質悪化であり、収穫時期には目標値に届く予測であることを説明し、経営層に納得していただいた。抽出した業務面、システム面の課題は今回の収穫が終わるまでに解決することは難しいので、次のシーズンで行う予定となっている、次回実地試験を行う際に解決することを説明した。
3-2 経営層からの意見と意見を受けて改善したこと
経営層から、A社は事業戦略としてグローバル化を考えており、今後海外でのトマト栽培を行う際は日本とは違い、水が貴重な地域での栽培も考えられるので、散布した水の量を記録出来るようにシステムを改修してほしいとの意見があった。通常の養液土耕栽培と比較し、水の使用量を抑えられるのであればそれをA社の強みとすることができるからだ。私は自動かん水施肥システムの仕様から、水の散布量を記録するのはインパクトが大きくない改修だと判断した。なぜならば、既に自動かん水施肥システムにはログ出力機能があるので、そこに水の散布量を記録するだけだからだ。私は水の散布量記録に関するシステムの改修をシステム部門に指示した。
以上
論述してみた感想
前回よりは違和感が少ない小論文になったと思う。またしても文字数はギリギリ。
今回は参考書に書いてた通り、(イ)である第2章から書いてみた。確かに第2章から論述したほうが書きやすい。
第1章、第2章、第3章のタイトルとその下の項?を決めた後、ざっくり内容を頭の中で考えて、第2章から書いていくのが正解っぽい。