※この記事の内容は自分用メモとしての役割が大きいので、後から大きく編集するかもしれません。
参考情報
http://dekiru-agri.jp/yamanaka002/
https://www.zero-agri.jp/youekidokou/
ネタ
■事業概要
・A社はB地域を中心に多くの農園を持つ大手農業法人である。
・農園は複数の畑で構成されている。
・A社が保有している農園では土に作物を植え、土の上に敷設したチューブで水や液状の肥料(以下、養液という)を散布する養液土耕栽培を主に行っている。
・栽培している作物は全てトマト、品質を売りにし、ブランド化することで付加価値を付けて販売している。
・同じトマトでも複数の品種があり、必要となる水の量や養液はそれぞれ異なる。
・収穫した作物は品質をA、B、Cの三段階に分け、Aを最も高い品質とし、B以上を出荷対象としている。
・農地法の改正により、今後同業他社の参入が増えることが予想される。
■経営戦略
・将来的にはグローバル化を視野に入れている。
・ブランド化したトマトの品質を維持したまま、コストを下げたいと考えている。
■事業特性
・近年、全国的に人件費が高騰しており、収益が悪化している。
・現場を支えるベテラン社員が高齢化しており、若手社員の育成が急務となっている。
・農業は経験と勘による作業が多く、若手社員がベテラン社員となるには苦労が絶えず、3年以内離職率が50%と高い。
・農園で収穫した作物のうち品質B以上の割合は全体で60%となっているが、農園毎の品質の差異が大きい。
・得に若手の農園での品質が悪く、経験年数10年未満の若手が管理者となっている農園だけで統計を取ると、品質B以上の割合は40%となっていた。
■問題の原因調査
◯調査方法
・ベテラン社員と若手社員にそれぞれ10名ずつにインタビューを行い、農園の管理方法や作業の細かい手順を洗い出した。
◯原因
・1日の水やり回数が異なり、品質の良い農園では1日数回に分けて水やりを行っていたが、品質の悪い農園では1日に1度まとめて大量の水を散布していた。
[発生していた問題]
- 品質の悪い農園では土壌の状態が一定に保たれず、水やり後は水分過剰となり、水やり前は水分不足の状態になっていた。
- 品質の良い農園では水やりを数回に分けることでタイマーの管理が複雑になり、スタッフの負荷が高くなっていた。
・手作業でバルブを操作することで水、養液の散布をしている。バルブを開けた際にタイマーを設定し、タイマーが鳴ったらバルブを締める。
[発生していた問題]
- 急な来客などでバルブを締めるのが遅れるなどの問題が発生していた
- バルブの開閉時間はその日の天気や土の状態で変わるので、タイマー時間はベテランの経験と勘で設定
・養液の配合が作物の状態によって変わる
[発生していた問題]
- 同じ農園内でも畑によって最適となる配合が異なるので、複数の養液を作る必要がある
- 養液の配合作業を出来る人材が限られるので、分担が難しい
■SWOT分析
・強み - A社の出荷するトマトはブランド力のあるトマトなので、通常のトマトと比較すると利益率が10%高い。
・弱み - 高齢化による人手不足が問題となっており、若手の離職率を下げることが急務である。
・機会 - 日本の食料自給率向上のため、農業のIT導入に国から補助金が出るため、今ならコストを抑えることが出来る。
・驚異 - 農地法改正により、これから他社の参入が増えると考えられる。
■IT導入の必要性
・土壌の状態を一定に保つために、ITの導入が必要。
・人件費削減のために、ITの導入が必要。
・若手の離職率を下げるために、ITの導入が必要。
■IT導入の企画
・手作業でバルブの開け締めをして行っていた水、養液の散布をAIで管理し自動化
・AIは日照や土壌の情報をセンサで取得し、最適な水の量を算出して散布する
・養液の自動配合
・水、養液の散布、養液の自動配合をタブレットで操作
・センサで取得した情報、水、養液の散布情報、養液の配合情報などをクラウドに保存
・パソコンやタブレットでクラウド上のデータを閲覧できる
■効果の検証
・収穫する作物の品質が大事だと考え、KPIとして出荷対象となる品質B以上を設定し、目標値として全体の80%以上を設定した。
■経営層からの意見
・若手の農園でのIT導入による収益増加効果をグラフを用いて視覚的に説明し、経営層からの評価を得られた。
・グローバル化を考えているA社として、発展途上国に進出する際、発展途上国では水が貴重な地域もあり、
節水効果がある今回のシステムは発展途上国での利用も期待出来るということで評価を得られた。
・水の使用量についても分析し、IT導入前と比較して効果を検証するように指示があった。
・品質Aの比率についても分析し、IT導入前と比較して効果を検証するように指示があった。
■現場部署からの意見
・マスメディアによる機械が人間の仕事を奪うという報道も多くあり、ベテランからの反発が大きかった。
・経験と勘による最適な水の量や養液の配合が機械に出来るわけないというベテランの反発があった。
・機械を管理するのは人間であり、最終的な品質の確認は人間にしか出来ないことを粘り強く説明し、理解を得られた。
■今後の改善点
・養液の散布タイミングや散布量の設定を管理者が設定しているが、将来的にはAIによる自動化を行いたい。
・土壌の病害を検知することが出来ないので、将来的にはAIで検知出来るようにしたい。
平成29年問1で論述
第1章 経営戦略の実現を目指したIT導入の企画における事業概要、経営戦略、IT導入の目的及び事業特性
1-1 事業概要、経営戦略
A社はB地域を中心に多くの農園を持つ農業法人である。農園は複数の畑で構成されており、A社が保有する農園では土に作物を植え、土の上に敷設したチューブで水や液状の肥料(以下、養液という)を散布する養液土耕栽培を主に行っている。栽培しているのは全てトマトである。
A社では品質にこだわり、独自にブランド化したトマトを栽培、出荷しており、通常のトマトに比べて高い付加価値がある。収穫したトマトは品質をA、B、Cの3種類に分け、Aを最も高い品質とし、B以上を出荷対象としている。
経営層の考えとしては、将来的にはグローバル化も視野に入れており、海外への進出を意識している。また、農地法の改正により今後競合他社の参入が予想される。A社はコアコンピタンスをより強固にするため、ブランド化したトマトの現在の品質を維持したまま、コストを下げ、他社の参入に備えたいと考えている。
1-2 IT導入の目的及び事業特性
近年、A社の事業部門で働くベテラン社員が高齢化しており、若手社員の育成が急務となっている。農業は経験と勘による作業が多く、若手社員が経験を積み、勘を養うには苦労が耐えない。また、若手社員が管理する農園は品質が安定せず、ベテラン社員と比較すると品質B以上の割合が少なく、出荷量は60%前後となっている。
そこで、経営層から私に、ITを導入することで若手社員の離職率を減らし、同時に若手社員が管理する農園での出荷量を増やす企画を考えるよう指示があった。
第2章 IT導入の企画、投資効果の検討として重要と考え、工夫したこと、効果を評価するKPIとその目標値
2-1 IT導入の企画
私はAIを使って水、養液の散布を自動化するシステムの導入を考えた。なぜならば、ベテラン社員が経験と勘を頼りに作業しているのが水、養液の散布だからである。具体的にいうと、水、養液の最適な散布量は土壌や日照の状態によって日々変化するが、ベテラン社員は長年の経験と勘を頼りに最適な量を導き出している。若手社員は経験が足りず、勘も養えていないので最適な量がわからず、散布する量が多かったり、少なかったりしたからである。今回のシステムでは、水、養液の散布量を土壌や日照の情報をセンサで取得し、AIで自動決定することで経験や勘に頼らず最適な散布量を導き出すことが可能となる。経験の浅い若手社員でもAIが出力する情報を参照することで、最適な水、養液の散布量を知ることができる。
2-2 投資効果の検討として重要と考え、工夫したこと
IT導入の投資効果を検討するにあたって、私は収穫時の作物の品質が重要だと考えた。なぜならば、若手社員の管理する農園の出荷量がベテラン社員の管理する農園と比較して60%前後となっている原因は、品質がCのトマトの割合が多いからだということがわかったからだ。そこで私は若手社員が管理する農園で収穫したトマトの品質を注意深くチェックすることにした。また、若手社員の管理する農場に比べてベテラン社員の管理する農場に今回のAIを使用した水、養液の散布自動化システムを導入した場合は投資効果が低くなることが予想出来たので、今回は若手社員の管理する農場にのみITを導入し、コストを抑えることとした。
2-3 効果を評価するKPIとその目標値
若手社員の管理する農場において、収穫した作物の品質B以上をKPIに設定し、目標値はベテラン社員が管理する農場と同じ水準となる全体の80%を目標値とした。農場全体の80%以上が品質B以上となれば、出荷量はベテラン社員が管理する農場と同等となる。
第3章 投資効果を得るために事業部門へ提案した内容、事業部門からの評価と評価を受けて改善したこと
3-1 投資効果を得るために事業部門へ提案した内容
私は、若手社員の管理する農園にITを導入し、水、養液の散布量をAIが自動出力するようにしたとしても、若手社員がAIの情報を無視し、自己の判断で水、養液の散布量を決定してしまうと十分な投資効果を得ることができず、投資効果の検証もできないと考えた。そこで、若手社員には自己で水、養液の散布量を決定せず、AIの出力した情報通りに作業を行って欲しいと説明した。若手社員の中には、自分の実力に自信を持っており、AIより自分の判断の方が優れていると反発する社員もいたが、今回は投資効果を検証するためにもAIの出力した情報通りに水、養液の散布を行って欲しいと粘り強く説明することで、理解を得られた。また、もし誤ってAIが出力した情報と異なる量の水、養液の散布を行ってしまった場合は、投資効果の検証時にその情報がわかるように、記録しておいて欲しいと伝えた。
3-2 事業部門からの評価と評価を受けて改善したこと
若手社員からの意見として、AIで出力した情報をタブレット端末で参照できるようにして欲しいという意見があった。現場では外で作業することになるので、持ち運び出来るタブレット端末で情報を確認しながら水、養液の散布作業を行いたいという理由からの意見だった。私は若手社員のミスを防ぐためにも、タブレット端末で情報を確認しながら作業が出来たほうが良いと考えたため、若手社員の意見を採用し改善することに決めた。
以上
平成29年問1で論述してみた感想
初めての論述ということで、あまり上手くいかなかった。
文字数を考えた結果、自動かん水施肥システムでは無く水と養液の散布量をAIで出力するというショボいシステムになってしまった。
システムの機能をどこまで盛り込むかは文字数と相談になりそう。今回は指定数ギリギリの文字数なので、もう少し機能を盛って文字数増やしたほうが良いかも。
これで合格できるかどうかは微妙。
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